新着投稿

え?その銘木のビリヤード・キューはワシントン条約で作れなくなる?

2018年10月27日

銘木について
この画像は銘木とは関係ありません

最近、カスタムキューのことについてビリヤードBROでは話題が多くなっています.

カスタムキューにはハギやインレイなどの装飾に銘木が使われております。

そのようなカスタムキューですが、使われている銘木は

天然素材ゆえに限りある資源とともにキューの材料にも変化があります。

 

Left Caption

〇〇さん

最近、カスタムキューは見かけなくなったね。
販売しているところも少なく在庫もないですね。
BRO

BRO

諸事情や日本のマーケット市場より、ずっと大きいマーケットが世界には存在しているのも要因でしょうかね。

銘木についても

Left Caption

〇〇さん

「コクタン」のような黒っぽい色とか「ココボロ」が渋くていいよね
BRO

BRO

今まで多くのキューに「ココボロ」は使われていたけど
規制対象のココボロなどローズウッド系はどうなっていくのか注意ですね。
Left Caption

〇〇さん

規制対象?なんやのん?

最近、このような話題がありました。

 

実は、天然素材にはワシントン条約が制定されており、材料だけでなく

完成された製品の一部でも使われていたら輸出入禁止となる天然素材があります。

このワシントン条約に昨年度に加わった項目にはビリヤードにもよく使われる天然銘木が記載されています。

経済産業省のホームページでは「ビリヤードのキューなどの道具」とはっきりと記載されています。

 

そのあたりを少しばかりのお話です。

 

ビリヤードに関する道具は天然素材(動物・植物)を多種に渡り使っています。

ビリヤードテーブルではマホガニーなどの銘木や

中でもカスタムキューというのはインレイやハギに天然素材を使っています。

しかし、天然素材という資源には限りがあったり絶滅危惧種となったりしており

ワシントン条約が制定されています。

ワシントン条約とは

「野生動植物が国際取引によって過度に利用されるのを防ぐため、 国際協力によって種を保護するための条約」

日本語の正式名称は

「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」

2年に一度話し合いが行われ、その都度更新をされています。

国際的な保護規定で実際に過去に過ちのために絶滅してしまった動物や植物を、

二度とあってはならないと取り決められた条約は大変重要なことです。

ワシントン条約が掲げられてから種の絶滅から守られたこともあります。

ワシントン条約は1980年に60番目の加盟国として日本は加わりました。

現在は183カ国が加わっているようです。

動物だけでなく銘木とされている木々も対象枠が広がっております。

 

 

ビリヤードとワシントン条約対象天然素材

ビリヤードキューの材料のひとつである象牙は

ワシントン条約対象となっていることはよく知られていると思います。

実は動物以外の銘木も対象となっており、その銘木の品種が拡大されております。

それらのワシントン条約では「附属書Ⅰ」「附属書Ⅱ」「附属書Ⅲ」という3段階のカテゴリーに分かれており

その規制対象が異なります。

  • 附属書Ⅰ
    対象基準:絶滅のおそれがあり、取引によって影響受けている、もしくは受ける可能性がある種
    規制内容:商取引は禁止され、研究など学術的目的での取引のみ可能。輸入国・輸出国双方の政府による許可証が必要
  • 附属書Ⅱ
     対象基準:他国間の取引を規制しない場合、将来的に絶滅する可能性がある種
     規制内容:商取引自体は可能。輸出国政府による許可証が必要
  • 附属書Ⅲ
     対象基準:締約国が自国内の種の保護ため、国際的な協力を必要とする動植物
     規制内容:商取引自体は可能。輸出国政府による許可証が必要

 

ワシントン条約の対象である動植物についてですが

 

動物の規制対象(象牙・ワニ・トカゲなど)

象の生息地は多く国ごとに附属書が異なっています。

象牙は1992年に「種の保存法」を制定して、輸入は行われておりません。

象牙の輸入は1999年と2009年に1回ありましたが、使用用途は厳格に限られているようです。

 

象牙はビリヤードキュー以外にボールそのものに使われていた時代もありました。

しかし象牙が不足したときにニューイングランドのとあるボールメーカーが

象牙に代わるモノの開発としてなにかできないかと賞金をかけ公募したところ

セルロイドという化合物の応用をはじめました。

これがきっかけでセルロイドの多様性から、現在のプラスチックが誕生しました。

ビリヤードがきっかけとなったプラスチックの話題は余り日本では知られていないかも

 

またボール以外ではキューとして象牙は先角・ジョイント・インレイとして使われたりします。

独特の打感と甲高い音は象牙の特徴とともに希少価値としてキューには使われておりました。

現在では象牙に変わるモノが使われております。

ジュマ・PVC樹脂(ポリ塩化ビニル)という樹脂系が多いですね。

 

また、キューのグリップには革巻きや

キューケースには革のものを使用されている方もいらっしゃいますが

ワニやトカゲなど爬虫類の皮革製品も経済産業省の

ホームページのワシントン条約では規制対象となっているものもあります。

 

 

銘木の規制対象

銘木までが規制対象ってビリヤードをしている方が知っているのは少ない?

ビリヤードでは象牙のときもそうでしたがほぼ銘木に関して情報掲載がないようですね。

家具や楽器も対象となりその業界団体では公表されていますね。

また、ローズウッドについては、ワシントン条約第17回締約国会議で

マメ科ツルサイカチ属、ブビンガ属3種、アフリカローズウッドが同条約の附属書Ⅱに新たに掲載されました。

このため、この種を使用したものは2017年1月2日以降、事前に承認・許可をとらなければ輸出入ができなくなりました。

では規制対象のビリヤードに使われている銘木として主なものとしてローズウッドがありますが

このローズウッドはかなりの種があり附属書が異なっています。

附属書Ⅰ(商業目的の国際取引は原則禁⽌)
ブラジリアンローズウッド

附属書Ⅱ(目的にかかわらず取引は認められる「輸出承認」必須)
サイアミーズ・ローズウッド(シタン)
マダガスカルローズウッド(パリサンダー)
ココボロ(サザン・アメリカン・ローズウッド)
ホンジュラス・ローズウッド(ノガエド、ニュー・ハカランダ)
インディアン・ローズウッド(シッソノキ)
イースト・インディアン・ローズウッド(ソノケリン、インドネシア・ローズウッド)
アフリカン・ブラックウッド(グラナディラ、アフリカ⿊檀)
キングウッド
チューリップウッド
ブラジリアン・チューリップウッド
ユカタン・ローズウッド(パナマ、ニカラグアン・ローズウッド)
アマゾン・ローズウッド
メキシカン・ローズウッド(パロエスクリト)

ローズウッド・キングウッド ・チューリップウッド・ココボロあたり馴染みのある銘木がありますね。

ローズウッドが規制対象となったとしても上記のようにどれが何のローズウッドなのか見分けも大変です。

ローズウッドの種だけを列記しましたがマホガニーも対象で

マホガニーは一部のテーブル台にも使われていたりします。

附属書Ⅰは上記のごとく商取引は禁止で輸出入はできなく、研究など学術的目的での取引のみ可能。

附属書Ⅱであってもすべて輸出入には書類手続きが大変面倒なことになっています。

要は適正に伐採されたことを正確に示す証明書がなければ輸出入は禁止となります。

これは会社や個人でも証明書がなければダメとなります。

海外製品を購入したものの、ワシントン条約での法規制対象の天然素材ならば注意が必要であり

場合により証明書がなかったり不備であると税関を通ることはできません。

ときには税関で没収となります。

 

製品化されたビリヤード関連の取扱いについて

国内にすでにあるローズウッドやローズウッドを使った製品などを

購入する分には書類等は不要となっています。

また、海外への規制対象になっているキューの試合などで持ち出しは

個人の「携帯品」「職業用具」の特例、除外規定の適用等が認められるか否かは

実際の貨物の内容、渡航先の対応等に依存するので税関へ確認が必要です。

キューメーカーへの修理の場合に送るときには税関の確認が必要とともに

修理し終わったキューの返送については商業目的とみなされるので輸出国側の手続きが必要となります。

じゃあ、書類だけ整えればいいよねってなりますが、

要はこの書類を作成をするための費用が相当かかります。

実際にキューの制作者に修理を出された方のお話では

かなりの金額と日にちを要したとお聞きしております。

また附属書Ⅱについての材料も同様に輸出入はできるものの、

その書類作成に費用がかかり現在よりも割高にはなると推測されます。

税関のホームページもご参考ください。

 

まとめ

ビリヤードとワシントン条約との関わりについてですが、

ほとんど話題や記事になることもないように感じております。

海外からの購入や修理についてはワシントン条約に象牙に代表する動物だけでなく

対象が広がっていることの認識も大切と思います。

そして、

人と動物・植物が共存していく上において間違った解釈や選択をしないよう

一人ひとりが認識をすることがさらに重要ではないのかと考えます。

 

最近の傾向としてカーボンシャフトが各メーカーの採用が多くなってきてます。

これはカーボンによるハイテクシャフトということですが

もう一つはシャフト材である「メイプル」そのものの保管や確保でしょうか

天然素材の「木」の乾燥のための寝かせも必要であり個々のバラツキもあります。

そのような木を扱うより人工材であるカーボンのほうがバラツキもなく

調達も容易と推測できます。

時代とともにビリヤード・キューにも改革が訪れようとしています。